介護分野において特定技能外国人による従事が可能となりました

介護分野における特定技能外国人に関する告示・通達等が改正され、これにより訪問介護等訪問系サービスの業務への従事が可能になりました。
外国人介護人材の訪問系サービスへの従事については、「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」(令和7年3月31日社援発0331第40号、老発0331第12号)により「技能実習及び特定技能の在留資格で介護業務に従事する外国人について、令和7年4月より順次、一部の訪問系サービスの従事を認めることとする」とされ、技能実習については4月1日より施行されていました。
必要な要件等
受入事業所は、下記の遵守事項を守り、要件を満たす必要があります。
❀遵守事項(5点)
①訪問介護の業務の基本事項等に関する研修実施
→受入事業所において、利用者やその家族の生活習慣や利用者個々の状態に配慮したサービス提供を可能とするための研修として、以下の内容を含む研修を行うこと。
・訪問系サービスの基本事項や生活支援技術などの利用者の居宅において実施する事項
・利用者・家族・近隣とのコミュニケーション(傾聴、受容、共感などのコミュニケーションスキルを含む。)
・日本の生活様式
・緊急時の連絡方法や連絡先を事前に確認する等、利用者の居宅において不測の事態が起こった際に適切に対応できるような緊急時を想定した研修
②サービス提供責任者等による一定期間の同行等のOJTの実施
→利用者やその家族と信頼を醸成し、加えて居住環境等といった周辺環境も含めた利用者の特性に応じたサービス提供を行うため、外国人介護人材が訪問系サービスの提供を一人で適切に行うことができるように、サービス提供責任者や利用者を担当している先輩職員などが同行するなど必要なOJTを行うこと。
③外国人介護人材への丁寧な説明、外国人介護人材との共同でのキャリアアップ計画の作成
・あらかじめ従事させる業務の内容や注意事項等について丁寧な説明を行い、その意向を確認すること。
・本人と十分にコミュニケーションをとった上で、当該外国人介護人材が習得すべき技能や目指すべき姿を明確にしたキャリアパスを構築するとともに、そのキャリアパスの実現に向けた計画的な取組が必要であることから、キャリアアップ計画を当該外国人介護人材と共同して策定すること。
・策定したキャリアアップ計画については、本人の意向、日本語能力修得目標などを含む自らの目指すべき姿や、事業者による支援計画を含め実現に向けたステップへの理解を促すため、当該外国人介護人材とも共有すること。
④マニュアルの作成や相談窓口の設置等によるハラスメント対策
・ハラスメントを未然に防止するための対応マニュアルの作成・共有、管理者等の役割の明確化、ハラスメントが発生した場合の対処方法等のルールの作成・共有、利用者やその家族等に対する周知
・ハラスメントが実際に起こった場合の対応として、当該ルールの実行、外国人介護人材が相談できる窓口の設置やその周知
⑤不測の事態に備えたICT活用等の環境整備
以下に掲げる対応を行うこと。
・緊急時の連絡先や対応フローなどをまとめたマニュアルの作成
・①で記載した緊急時を想定した研修の実施
・緊急時に他の職員が駆けつけられる体制の確保
・サービス提供記録や申し送りについて職員全員で情報共有する仕組みの整備
上記の対応においては、業務の負担軽減や、利用者の居宅において不測の事態が起こった際に適切に対応できるようにする観点から、コミュニケーションアプリの導入など、ICTの活用が考えられること。
❀要件(2点)
①原則一年以上の介護事業所等での実務経験を有し、初任者研修等を修了した外国人介護人材であること
➤提供するサービスの質の担保の観点等から、外国人介護人材が訪問系サービスに従事するに当たっては、介護事業所等での実務経験が1年以上ある外国人介護人材であることを原則とすること。
②利用者・家族に対し、書面により説明を行い、当該利用者又は家族に当該書面に署名を求めること
➤受入事業者において、利用者やその家族に対して事前に丁寧な説明を行うこと。
具体的には、外国人介護人材が利用者の居宅に訪問して介護業務を行う可能性がある場合には、当該利用者やその家族に対し、以下の点などについて書面を交付して説明しを求めること。
・外国人介護人材が訪問する場合があること
・①で記載した訪問する外国人の実務経験等について
・ICT機器を使用しながら業務を行う場合があること、当該利用者又はその家族に当該書面に署名
・外国人介護人材の業務従事にあたって不安なことがある場合の事業所連絡先
詳細は外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について|厚生労働省をご確認ください。
必要な手続きと対応
外国人介護人材を訪問系サービスに従事させる受入れ事業所は、以下の手続き・対応を行う必要があります。
①適合確認申請
受入れ事業所は外国人介護人材の訪問系サービス従事前に国際厚生事業団に適合確認申請を行い、適合確認書の発行を受ける必要があります。
②巡回訪問への対応
国際厚生事業団が外国人介護人材を訪問系サービスに従事させる受入れ事業所に対して巡回訪問を行います。
③定期報告
キャリアアップ計画は定期的に更新を行い、国際厚生事業団に提出する必要があります。
今般、特定技能についても告示・通達等が改正、施行され、受入れ機関が遵守事項等を守っていることの確認を求める適合確認申請に関する情報も明らかになりました。
具体的には、次のものが発出されています。
告示・通達等
●「出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令及び特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の規定に基づき介護分野について特定の産業上の分野に特有の事情に鑑みて当該分野を所管する関係行政機関の長が定める基準の一部を改正する件」(令和7年4月21日厚生労働省告示第147号)
●「「出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令及び特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の規定に基づき介護分野について特定の産業上の分野に特有の事情に鑑みて当該分野を所管する関係行政機関の長が定める基準」について」(平成31年3月29日社援発0329第18号、障発0329第17号、老発0329第5号、一部改正令和7年4月21日社援発0421第1号、障発0421第3号、老発0 421第1号、こ支障第209号)
●「介護分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用要領
また、適合確認申請に関する情報については、実施機関である公益社団法人国際厚生事業団のホームページにて、申請手順と提出書類が次のように案内されています。
申請手順(介護分野における特定技能協議会へ未入会の場合)
●申請手順(介護分野における特定技能協議会へ未入会の場合)
STEP1 受入機関が、協議会申請システム上でアカウントを取得し、入会申請を行う
STEP2 受入機関(または委託を受けた登録支援機関)が適合確認申請フォームで必要な情報を申請
STEP3 受入機関(または委託を受けた登録支援機関)が必要書類を提出
STEP4 協議会事務局が提出書類を確認
STEP5 協議会事務局が適合確認書及び更新後の入会証明書をそれぞれ発行
※介護分野において在留資格「特定技能」で外国人材を受け入れる法人は、「介護分野における特定技能協議会」の構成員となることとされています。
申請書類
❀必ず提出するもの
◎協議会入会申請時/入会証明書の更新時の提出書類<事業所ごと>
・介護分野における業務を行わせる事業所の概要書
・指定通知書等
◎適合確認申請時の提出書類<外国人ごと>
・訪問系サービスの要件に係る報告書
・キャリアアップ計画(特定技能外国人の署名入り)
・ハラスメントを未然に防止するために作成している対応マニュアルや、ハラスメントが発生した場合の対処方法等のルールが作成・事業所内の共有がされていることがわかる資料
・緊急時の連絡先や対応フローなどをまとめたマニュアル
❀任意で提出するもの
・特定技能外国人に対する研修方法-全体の研修プログラム等
・一定期間、サービス提供責任者等がOJTに同行する等の必要な体制 - OJTの内容等に関して、参考となる資料
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。
介護 訪問介護 特定技能
*ホームページ
外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について|厚生労働省
特定技能外国人の訪問系サービスへの従事について | 国際厚生事業団 外国人介護人材支援
*パンフレット
外国人介護人材が訪問系サービスに従事できるようになりました
外国人介護人材が訪問系サービスに従事できるようになりました
令和7年4月21日厚生労働省告示第147号
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