令和6年度厚生労働省所管予算概算要求に関する資料が公表されました①

令和6年度厚生労働省所管予算概算要求に関する資料が公表されました。

ここでは、令和6年度の主要施策として掲げられた下記Ⅱの主な新規事業をピックアップして紹介したうえで、9月7日分にて助成金・補助金に関する内容を取り上げることとします。

令和6年度の主要施策

Ⅰ 今後の人口動態・経済社会の変化を見据えた保健・医療・介護の構築
Ⅱ 構造的人手不足に対応した労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進
Ⅲ 包摂社会の実現

上記Ⅱの内訳は、次のとおりです((  )内は令和5年度当初予算額)。

構造的人手不足に対応した労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進

●最低賃金・賃金の引上げに向けた支援、非正規雇用労働者の処遇改善等
・最低賃金・賃金の引上げに向けた中小・小規模企業等支援、非正規雇用労働者の正規化促進、雇用形態に関わらない公正な待遇の確保 677億円(625億円)

●リ・スキリング、労働移動の円滑化等の推進
・リ・スキリングによる能力向上支援 1,468億円(1,379億円)
・個々の企業の実態に応じた職務給の導入 0.6億円
・成長分野等への労働移動の円滑化、人材確保の支援 619億円(614億円)

●多様な人材の活躍と魅力ある職場づくり
・フリーランスの就業環境の整備 6.2億円(3.8億円)
・「多様な正社員」制度の普及促進、ワーク・ライフ・バランスの促進 147億円(141億円)
・ハラスメント防止対策、働く方の相談支援の充実、働く環境改善等支援 144億円(122億円)
・仕事と育児・介護の両立支援 200億円(162億円)
・多様な人材の就労・社会参加の促進 955億円(945億円)
・就職氷河期世代、多様な課題を抱える若年者・新規学卒者の支援 801億円(738億円)

主な新規事業は、次のとおりです。

非正規雇用労働者等が働きながら学びやすい職業訓練試行事業(仮称)の実施 3.3億円

・対象者:主に非正規雇用労働者 720名(80人×9コース)
・実施方法等:受講継続等に効果的であるスクーリング形式と、場所や時間を問わず受講しやすいオンライン(オンデマンド、同時双方向)形式を効果的に組み合わせて実施することを想定
・総訓練時間・受講可能期間:150時間程度。受講可能期間最大9カ月
・受講継続等の支援策:実施機関において、受講継続勧奨や学習の進捗状況に応じた支援を担当制で行う学習支援者の配置等を実施

デジタル人材育成のための「実践の場」開拓モデル事業 13億円

OFF-JTだけでは不十分で実務経験が必要とされている下記①、②のケースのための「実践の場」を創出するモデル事業を実施し、その効果・課題等を把握し、より効率的・効果的な支援の在り方を検証する。(事業実施期間:令和6年度~7年度)
① 他職種からIT人材に転職を目指す者のうち中高年齢者
② IT以外の産業分野の企業内DX推進人材

職務給等に関する調査研究及び導入に向けた周知・広報 62百万円

・職務給の導入の企業への周知広報に当たっては、事例集だけではなく、個々の企業の参考となるよう、職務給を導入の際の留意点等をまとめるとともに、リーフレット等により丁寧に周知する必要がある。
・民間企業の配偶者手当について、今後は、特に中小企業や小規模企業が実際に見直しをできるよう、リーフレット等による周知とともに、専門家による助言等の実効性ある取組みを併せて実施する必要がある。
・職務給の導入や配偶者手当の見直しについて、民間事業者への働きかけを効果的に行うため、職務給導入の際の留意点をまとめる等の調査研究、リーフレット等による周知・広報、社会保険労務士等の専門家を労働局や民間企業が実施するセミナー等への派遣を実施する。

副業・兼業の事例集作成 19百万円

・副業・兼業が労働者にとってのキャリアアップ・スキルアップにつながり、自社にもメリットがある事例を集めた事例集を作成し、企業には社員の副業・兼業が自社のメリットになることを周知し、また労働者に対しても副業・兼業が自身のキャリアアップ・スキルアップにつながることを周知する。

詳細は、下記リンク先にてご確認ください。

 

 

 

人手不足 最低賃金 賃金の引上げ リスキリング 労働移動 フリーランス 多様な正社員 両立支援 非正規雇用 デジタル人材 職務給 副業・兼業

令和6年度厚生労働省所管予算概算要求関係
https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/24syokan/index.html