令和7年度助成金の改正点を専門家が解説いたします!

 今回の記事では、おすすめする助成金の令和7年度改正ポイントを解説いたします。

 解説する助成金は、①人材育成に関する人材開発支援助成金、②育児休業や介護休業と仕事を両立するための両立支援等助成金、③人材確保等支援助成金を解説いたします。
 人材確保等支援助成金は、耳なじみのない助成金かもしれませんが、休止や復活を繰り返す中で、令和7年度は設備投資にも活用できるコースが復活しましたので、あわせて解説いたします。

 人材開発支援助成金は助成金額がアップしていたり、両立支援等助成金はさらに活用しやすい改正や新たなコースの追加があったりしています。

 そのため、これから助成金申請をお考えの方や興味のある方は、ぜひYouTubeでの解説動画と共に、本記事をご覧の上、申請へと進めていただければと思います!

人材開発支援助成金の主な変更点

∻人材開発支援助成金とは∻
 人材開発支援助成金を簡単に説明すると、従業員さんへ実施する訓練に伴う助成金になります。
 既存事業や新規事業に関連した専門的な知識や技能の習得を目的とした内容の訓練も対象になります。
 また、新入社員研修や営業研修、DX研修、いま流行っている生成AIの研修なども従業員さんのスキルや知識などを向上する目的の訓練であれば、対象となる可能性があります。
 ただ、一般的なマナー研修などの対象とならない訓練もありますので、実際に活用をお考えの場合は、注意が必要となります。

∻主な変更点∻
①助成金額の変更
➤この助成金は、訓練を受けることによって発生した費用に対する経費助成と、研修を受けている時間に対する賃金助成の2種類が支給されます。
 賃金助成は、各コースおおよそプラス40円となりました。昨今の賃金上昇に対応した形となります。
 経費助成も一部引き下げはありますが、全体的には上がっています。

>金額の主な変更箇所
・人材育成支援コース/人材育成訓練
 賃金助成 変更前:760円 ➡ 変更後:800円(大企業は480円)
 経費助成 変更前:60~70% ➡ 変更後:70%
・人材育成支援コース/有期実習型訓練
 賃金助成 変更前:760円 ➡ 変更後:800円(大企業は480円)
 経費助成(正社員転換を実施しなかった場合)
      変更前:60%  ➡ 変更後:70%
 経費助成(正社員転換を実施した場合)
      変更前:70%  ➡ 変更後:75%
・人への投資促進コース/高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練
 賃金助成 変更前:960円 ➡ 変更後:1,000円(大企業は500円)
・人への投資促進コース/情報技術分野認定実習併用職業訓練
 賃金助成 変更前:760円 ➡ 変更後:800円(大企業は400円)
・人への投資促進コース/長期教育訓練休暇制度
 賃金助成 変更前:960円 ➡ 変更後:1,000円(大企業は800円)
・事業展開等リスキリング支援コース
 賃金助成 変更前:960円 ➡ 変更後:1,000円(大企業は500円)

②研修会社の要件の変更
➤研修会社として認められるかどうかの要件が新たに追加されました。
 そのため、外部の研修会社を活用した訓練の実施をお考えの場合は、事前に要件を確認いただくと良いかと思います。

 今回の改正では、活用できる方が大幅に減少するような改正点もなかったので、一安心という感じです。
 もちろん、申請方法や要件などの細かい変更点はありますので、令和7年4月以降に計画届を提出される場合は、一度変更内容をご確認いただくことをおすすめします。

両立支援等助成金の主な変更点

 この助成金は、一部のコースを除き中小企業限定となっています。
 助成金によって大企業が活用できるかどうかが変わりますので、申請をお考えの方は、中小企業に該当するかどうかも確認いただくと良いかと思います。

∻両立支援等助成金とは∻
 両立支援等助成金を簡単に説明すると、育児や介護、不妊治療をされている労働者が仕事と両立しやすいような整備をするともらえる助成金です。
 この助成金には6つのコースがあり、令和7年度の改正で新たなコースが追加されました。
 今回は細かい改正点がたくさんありますので、各コースの改正済みの概要を解説いたします。

∻出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)とは∻
 このコースには、第1種と第2種があります。
 第1種は男性労働者の育児休業を促進させるためのもので、子の出生から8週間以内に5日以上の育児休業を取得すると10万円から20万円が支給されます。
 第2種は会社全体の男性の育児休業取得率に応じて60万円が支給されます。
 これまでは、第1種を申請しないと第2種の申請ができませんでしたが、今回の改正により、いきなり第2種の申請ができるようになりました。
 第2種に関しては、育児休業取得率の算出方法が明確にありますので、場合によってはすぐに申請できる可能性があります。

∻介護離職防止支援コースとは∻
 このコースは、介護休業取得と職場復帰に対してや、円滑に介護休業を行うための取り組みを行うことによって受給できるコースです。
 このコースの中にも対象となる取り組みが大きく分けて3つあり、①介護休業・復帰、②介護両立支援制度、③業務代替支援となります。
 ①介護休業・復帰は、連続5日以上の介護休業が対象になり、比較的活用がしやすいかと思いますが、要件を満たすと40万円が支給されます。
 ②介護両立支援制度は、該当する制度を導入する数に応じて金額が変動し、1つ導入すると20万円、2つ以上の導入で25万円が支給されます。どちらも制度の利用が要件となっていますので、注意が必要となります。
 ③業務代替支援は、介護休業を取得している労働者の代わりに業務をする方を探す必要があるかと思います。その際に新規で採用するのか、現在雇用している労働者に手当を支払って受け持ってもらうのかに応じて、新規で採用する場合は20万円、手当を支給する場合は3万円~5万円が支給されます。

∻育児休業等支援コースとは∻
 このコースは、介護離職防止支援コースの育児バージョンと捉えていただくとわかりやすいかと思いますが、育児休業取得や復帰によって受給できるコースです。
 先ほどの介護休業は連続5日の休業が対象となりますが、こちらは連続3か月以上の育児休業取得が必要となります。
 助成金額としては、育児休業取得時に30万円、復帰時に30万円の合計60万円となります。

∻育休中等業務代替支援コースとは∻
 このコースは、介護離職防止支援コースの業務代替支援と同様で、育児休業取得者や育児のために短時間で働いている労働者の代わりに業務を行う労働者に手当を支給したり、新たに雇用した場合に受給できるコースとなります。
 育児休業取得者の代わりに業務を行う現在雇用している労働者に手当を支給する場合は最大140万円、育児のために短時間で働いている労働者の代わりに業務を行う現在雇用している労働者に手当を支給する場合は最大128万円、育児休業取得者の代わりに業務を行う労働者を新たに雇用した場合は最大67万5千円が支給されます。

∻柔軟な働き方選択制度等支援コースとは∻
 このコースは、フレックスタイムやテレワーク、短時間勤務などの柔軟な働き方ができるような制度を導入すると受給できるコースです。
 導入する数や利用状況等に応じて金額が変動します。
 該当する制度を2つ導入して利用した場合は20万円、3つ以上導入して利用した場合は25万円となります。

∻不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースとは∻
 このコースは、令和7年度に新たにできたコースとなります。不妊治療や月経、更年期といった女性の健康課題に対応するために利用可能な制度を導入し、利用した場合に受給できるコースです。以前から不妊治療のコースはありましたが、健康課題対応両立支援についてが新設になるかと思います。
 助成金額は、ABCにわかれています。
A.不妊治療のための両立支援制度を5日(回)利用:30万円
B.月経に起因する症状への対応のための支援制度を5日(回)利用:30万円
C.更年期に起因する症状への対応のための支援制度を5日(回)利用:30万円

 両立支援等助成金は、人気の助成金で比較的活用しやすくなっています。
 今年は育児介護休業法の改正もあり、それに伴ってこの助成金の関心度も高まっているので、ぜひ活用してみてください。

人材確保等支援助成金・雇用管理制度・雇用環境整備助成コースの主な変更点

 この助成金は、各コースが軒並み中止されており、申請したくてもできない状態でしたが、その中でも一番人気の雇用管理制度・雇用環境整備助成コースが復活しました。
 このコースは雇用管理制度と雇用環境整備にわかれています。

∻雇用管理制度∻
 a~eまでの5つがあり、どれをするかに応じて助成金額が異なります。
 賃金要件に該当する場合は金額が加算されます。
 複数を導入することは問題ありませんが、その場合は上限額が80万円となります。

a.賃金規定制度
➤賃金規定および賃金表を整備する取り組みをすると受給でき、助成金額は40万円となります。
b.諸手当等制度
➤諸手当制度、退職金制度、賞与制度を導入する取り組みをすると受給でき、助成金額は40万円となります。
c.人事評価制度
➤生産性向上に資する人事評価制度を導入する取り組みをすると受給でき、助成金額は40万円となります。
d.職場活性化制度
➤メンター制度や1on1ミーティングを導入する取り組みをすると受給でき、助成金額は20万円となります。
e.健康づくり制度
➤人間ドックを導入する取り組みをすると受給でき、助成金額は20万円となります。

∻雇用環境整備∻
・業務負担軽減機器等の導入
➤業務の負担軽減につながるような機器等を導入すると受給でき、助成金額は対象経費の2分の1で、上限額は150万円となります。
 設備の一例としては、建設用ソフトウェアやフォークリフト、POSレジなどの業務改善になるようなものが対象となります。

 

今回は、人材開発支援助成金、両立支援等助成金、人材確保等支援助成金の3つの令和7年度の主な改正点を解説してきました。

両立支援等助成金に新たなコースが加わり、人材確保等支援助成金も設備投資への使用が可能になったということで、今年もかなり充実しているのではないかと思います。

以前のキャリアアップ助成金の改正点でもお伝えしましたが、これからは教育+正社員化をすることでキャリアアップ助成金の正社員化コースの金額が上がるので、今回解説した人材開発支援助成金を活用する会社が増えていくのではないでしょうか。

今回の解説記事および下記のYouTubeでの解説動画などを参考にしていただきながら、助成金の活用を検討していただければと思います。

今回解説した各助成金の詳細は、変更点を踏まえて改めて今後もYouTube動画や記事でも解説していきますので、そちらも合わせてご覧いただければと思います。

ただ、「助成金が活用できるのか不安なので相談したい」という方や、「助成金が苦手」という方は、初回無料相談を実施しておりますのでご活用ください。

社労士に依頼する2つのメリット

改善点が事前にわかる
 助成金は適正な労務管理をしていることが大前提で提出書類を求められます。
 例えば、残業代の支払いがない、計算が間違っているなどの不備があると申請できない可能性が出てきます。社労士に依頼している場合は申請する前に一通り書類に目を通したり、申請に至る過程で労務管理の見直しを行ったりすることができるため、労務管理の改善と助成金の申請の2つの観点からメリットがあると言えます。

書類作成、提出、問い合わせ対応などの手間が省ける
 助成金申請には書類の作成が必要不可欠です。助成金の書類は普段見慣れない書類が多く、戸惑われる方が多いのが現状です。当然不備等があると再提出となって申請期限に間に合わないという危険も伴います。実際に受付はしてもらえたとしても、そのあとの審査で不備が見つかると問い合わせ対応や追加書類の作成・提出が求められます。プロが申請した場合でも1つの助成金に対して問い合わせが一切ないというのは稀なので、自社で申請するとなるとかなりの手間と時間がかかります。その手間と時間を社労士が代行してくれると考えるとかなりのメリットがあると言えます。

社労士は、唯一法律で助成金の申請代行が許されています。

 だからこそ、いつでも相談できる、手間の軽減にも繋がる、助成金・労務管理の専門家である社会保険労務士に一度ご相談してみてはいかがでしょうか。

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初回無料相談実施中

いまなら、初回無料相談を実施しています。
この機会にぜひ一度相談してみてください。
※今回は、初回相談のみ無料となります
※2回目以降のご相談をご希望の場合は、別途費用をいただくことがございますので、予めご了承ください

✬この記事では全ての要件を記載しているわけではございません。
対象労働者の要件が他にもあったり、書類を作成する上でも注意が必要となります。
そのため、申請される際には初回相談をご利用いただくか、助成金相談窓口等のご利用をおすすめいたします。

∻お問い合わせの条件∻
助成金を悪用する目的でのお問い合わせはお断りしております。
まず初めに助成金申請が可能かどうかを確認後、ご契約となります。

YouTubeでの解説動画

 

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◎令和7年度の助成金改正ポイント|キャリアアップ助成金・正社員化コース↓↓

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