令和7年度業務改善助成金の資料が公開されました

厚生労働省より、令和7年度の業務改善助成金の交付要綱・要領、リーフレット等が公開されました。
また、令和7年4月11日(金)9時からは業務改善助成金コールセンターも開設されています。

今回の記事では、公開されたリーフレット等の内容や、賃金引上げにあたっての注意点、その他変更点等を取り上げます。

業務改善助成金とは?

 業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を30円以上引き上げ、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。

<事業場内最低賃金とは?>
 事業場で最も低い時間給を指します。(ただし、本助成金では、雇入れ後6か月を経過した労働者の事業場内最低賃金を引き上げていただく必要があります。)

対象事業者・申請の単位について

 以下の要件を満たした事業者は、事業場内最低賃金の引き上げ計画と設備投資等の計画を立て、(工場や事務所などの労働者がいる)事業場ごとに申請することが可能となります。

中小企業・小規模事業者であること(大企業と密接な関係を有する企業(みなし大企業)でないこと)
・事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること
・解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと

申請期限と賃金引き上げの期間について

 今年度より、申請期間と賃金引き上げ期間について、複数の期間を設定する見直しがされました。

【第1期】
・申請期間:令和7年4月14日~令和7年6月13日
・賃金引き上げ期間:令和7年5月1日~令和7年6月30日
・事業完了期限:令和8年1月31日

【第2期】
・申請期間:令和7年6月14日~申請事業場に適用される地域別最低賃金改定日の前日
・賃金引き上げ期間:令和7年7月1日~申請事業場に適用される地域別最低賃金改定日の前日
・事業完了期限:令和8年1月31日

※第3期以降の募集が行われる場合は、別途HPにてお知らせがされます。

助成上限額・助成率について

✦助成上限額
引き上げる最低賃金額および引き上げる労働者の人数によって助成上限額が変わります。

30円以上引き上げた場合:30万円~120万円
45円以上引き上げた場合:45万円~180万円
60円以上引き上げた場合:60万円~300万円
90円以上引き上げた場合:90万円~600万円
※事業場規模が30人未満の事業者の場合も金額が変わります。

✦助成率
引き上げ前の事業場内最低賃金によって、助成率が変わります。

・1,000円未満の場合:4/5
・1,000円以上の場合:3/4

✦特例事業者
以下の要件に当てはまる場合が特例事業者となります。
なお、②に該当する場合は、助成対象経費の拡充も受けられます。
※特例事業者に該当するかをお知りになりたい場合は、お近くの労働局へ確認されることをおすすめいたします。

①賃金要件
➤申請事業場の事業場内最低賃金が1,000円未満である事業者
②物価高騰等要件
➤原材料費の高騰など社会的・経済的環境の変化等の外的要因により、申請前3か月間のうち任意の1か月の利益率が前年同月に比べ3%ポイント以上低下している事業者

助成対象経費の特例

 特例事業者のうち、②物価高騰等要件に該当する場合、通常は、助成対象外となるパソコン等や一部の自動車も助成対象となります(パソコン等は新規導入に限ります。)。
※それぞれ要件がございますので、詳しくは交付要綱等をご覧ください。

対象となる設備投資など

 助成対象事業場における、生産性向上に資する設備投資等が助成の対象となります。
 また、一部の事業者については、助成対象となる経費が拡充されます。

・機器・設備の導入
➤例:POSレジシステム導入による在庫管理の短縮、リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮 など
・経営コンサルティング
➤例:国家資格者による、顧客回転率の向上を目的とした業務フロー見直し など
・その他
➤例:顧客管理情報のシステム化 など

助成金額の計算方法

 助成される金額は、生産性向上に資する設備投資等にかかった費用に一定の助成率をかけた金額助成上限額とを比較し、いずれか安い方の金額となります。

助成金支給の流れ

 事業場所在地を管轄する都道府県労働局に対し、所定の様式で交付申請を行う必要があります。その後、申請内容の審査を経て交付決定がなされたら、申請内容に沿って事業を実施します。事業完了後、事業実績報告と助成金支給申請を行っていただくと、報告内容の審査を経て、助成金が支給されます。

賃金引き上げに当たっての注意点

 賃金を引き上げる際には、下記の点に注意する必要があります。

・賃金引き上げは、申請日より後に行う必要があります。
 また、地域別最低賃金の発効に対応して事業場内最低賃金を引き上げる場合、申請後から発効日の前日までに引き上げてい
ただく必要があります。
・引上げ後の事業場内最低賃金額と同額を就業規則等に定めていただく必要があります。
複数回に分けての事業場内最低賃金の引上げは認められません。

申請時の注意点

 申請をする際には、下記の点に注意する必要があります。

申請に行った賃金引き上げ交付決定に実施した助成対象経費の支払いは助成の対象となりません。
交付決定に助成対象設備の導入や助成対象となるコンサルティングなどを実施した場合も助成の対象となりません。
必ず最新の交付要綱・要領で助成要件をご確認ください
・過去に業務改善助成金を活用した事業者も助成対象となります。
・予算の範囲内で交付するため、申請期間内に募集を終了する場合があります。
・同一事業場の申請は年度内1回までです。

令和6年度からの主な変更点

 令和6年度からの主な変更点は下記となります。

・事業主単位の年間申請上限額が600万円となりました。
・大企業と密接な関係を有する企業(みなし大企業)は対象外となりました。
・基準となる事業場内最低賃金労働者の雇用期間が、「3か月以上」から「6か月以上」になりました。
・事業完了期限が、2026(令和8)年1月31日※になりました。
※やむを得ない事由がある場合は、理由書の提出により、2026(令和8)年3月31日とできる場合があります。

 

詳細は、下記リンク先にてご確認ください。
助成金 業務改善助成金 賃上げ 地域別最低賃金 事業場内最低賃金
業務改善助成金|厚生労働省
令和7年度業務改善助成金のご案内
令和7年度業務改善助成金の一部変更のお知らせ

 

人事・労務関連のお悩みやお手続きは、社会保険労務士法人Q-allへお任せください

私たちは企業が活動していく上で必要な3要素である「ヒト」「モノ」「カネ」のうちの、「ヒト」の問題に関するプロフェッショナルです。

給与計算や従業員の雇用や退職で発生する保険関係等のお手続きをはじめ、職場で発生するさまざまな労働問題のコンサルティング等を行うほか、公的年金に関する唯一の国家資格者として年金に関する相談にも応じ、雇用や労働にまつわる問題を幅広く取り扱っています。また、それに付随する就業規則の作成や36協定等の労使協定の整備など、人事・労務管理のあらゆる業務をトータルサポートさせていただきます。

社会保険労務士は唯一法律で助成金の申請代行が許されており、その中でもQ-allはこれまでの助成金申請件数が7000件を超えるなど、豊富な実績があり、万全のサポート体制で申請・受給までのお手伝いをしております。また、助成金受給率は99%以上、累計受給額は26億円以上と、助成金にも力をいれておりますので、助成金に関する柔軟な対応も可能となっております。

担当者の急な退職・休職でお困りの方、人事・労務管理のアウトソーシングをお考えの方、助成金申請をお考えの方、ぜひお気軽にご相談ください。

❀ご興味のある方は、下記よりお問い合わせくださいませ。
お問い合わせ |社会保険労務士法人Q-all

今後も助成金に関する緊急速報をアップさせていただきます。
その他、弊社のYouTubeチャンネルにも助成金や労務管理に関する様々な情報を公開しておりますのでよろしければぜひ一度ご覧ください☆

✯YouTubeチャンネルはこちら!↓↓
https://www.youtube.com/@henmichannel/featured