映画製作現場の適正化に関する調査報告

4月30日、経済産業省は、フリーランスを含む現場スタッフの取引・就業環境の向上を含む日本の映画制作現場の適正化に向けた方策を取りまとめた報告書を公表しました。
 
これは、2019年度の映画制作現場実態調査にて、フリーランスの取引・就業環境をめぐる様々な課題が浮彫りとなったのを受けて設置された「映画制作の未来のための検討会」における検討結果をまとめたものです。
 
制作現場の適正化(人材育成等を含む)については、次のような方向性が示されています。
 
●製作から流通までの映画産業関係者が参画する自主的取組みとして、制作現場のルールを策定するとともに、適正な映画制作現場の整備のための作品認定制度を創設
●認定制度の創設にあたっては、「映像制作適正化機関(仮称)」を設置し、同機関が(1)スタッフセンター(人材データベース)、(2)人材育成、(3)社会保障の3つをフリーランスに提供するとして、引き続き映画業界全体で具体的な制度設計等を検討する
 
報告書は、主に映像制作適正化機関(仮)設立準備委員会の下部組織として設けられた3つのワーキンググループの検討結果で構成され、このうち、認定基準ワーキンググループが取りまとめた10の認定基準案には、制作会社とフリーランス間の基準として、次の案が示されています。
 
就業時間(撮影・作業時間)
 ・13 時間/日以内(準備・バラし・休憩含む) 開始時間は集合時間を基準
 ・13 時間を超える場合は、10 時間以上のインターバルもしくは翌日の休日の確保
 ・就業時間は制作部もしくは電子的な手段等で把握
休日
 ・週1日程度の休日(完全休養日)の確保
休憩・食事
 ・6時間以上の撮影時に 30 分以上の休憩を1回以上確保
契約書面
 ・全スタッフ(社員・俳優を除く)に対し、契約期間開始前に契約書面または発注書を交付
 ・発注書には、契約期間、業務内容、金額、支払日・支払い方法、傷害保険の加入、契約期間が延長される場合の規定を明記
スケジュール
 ・就業時間、休日、休憩・食事が達成できるスケジューリング
安全管理
 ・製作委員会内に相談窓口の設置
ハラスメント
 ・適正化機関が実施する研修を受けたスタッフの確保
 
報告書内の工程表によれば、業界における取組みとして、2021年7月からはガイドラインの、2022年2月からは認定制度の運用を開始し、2022年4月から映像制作適正化機関(仮称)の運用を開始するとのスケジュールが示されています。