最低賃金引上げに伴う中小企業支援策について

令和3年第11回経済財政諮問会議(7月21日開催)の資料が公表され、現在議論されている最低賃金の引上げに伴う中小企業支援策が示されました。

支援策は次の5項目が示されましたが、ここでは助成金に関する内容(1・2)を見ていきます。

1 新型コロナ感染拡大の影響によって特に厳しい業況にある中小企業等の雇用維持に対する支援(雇用調整助成金等)
2 中小企業・小規模事業者の生産性向上支援策
3 下請取引の適正化
4 既存施策の推進による収益力強化
5 厳しい業況を乗り切るためのさらなる支援策の検討

【新型コロナ感染拡大の影響によって特に厳しい業況にある中小企業等の雇用維持に対する支援(雇用調整助成金等)】
●年末までは中小企業の最大9/10以上の助成率を維持する(注1)
●業況特例等の対象となる中小企業が事業場内で最も低い時間給を一定以上引き上げる場合、地域別最低賃金が引き上がる10月から年末までの3カ月間、休業規模要件(注2)を問わずに支給する
●特例として、企業グループ内での在籍型出向により雇用維持を図る企業も産業雇用安定助成金の助成対象とする
  (注1)上限額については、骨太方針2021における「感染が拡大している地域・特に業況が厳しい企業に配慮しつつ、雇用情勢を見極めながら段階的に縮減していく」との方針に沿って対応するとされています。
  (注2)コロナ特例として、休業(短時間休業を含む)の延べ日数が所定労働日数の1/40(2.5%)以上とされています。

【中小企業・小規模事業者の生産性向上支援策】
●全事業主を対象とする特例として、業務改善助成金に(1)45円コースを増設し、(2)同一年度内の複数回申請を可能とする
●特に業況の厳しい事業主への特例として、業務改善助成金の特例的な要件緩和・拡充を行い、賃金引上げ対象人数について最大「10人以上」のメニューを増設し、助成上限額を450万円から600万円へ拡大
●特に業況の厳しい事業主への特例として、業務改善助成金の設備投資の範囲を拡充し、生産性向上に資する自動車やパソコン等を補助対象とする

これを受けて、厚生労働省から、7月27日に業務改善助成金の特例的な要件の緩和・拡充に関する詳細情報が公表されているほか、7月28日に産業雇用安定助成金の制度改正に関するリーフレットも公表されています。

詳細は、下記リンク先にてご確認ください。

最低賃金 雇用調整助成金 業況特例 休業

令和3年第11回経済財政諮問会議
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2021/0721/agenda.html

「業務改善助成金」の特例的な要件の緩和・拡充を8月から行います
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20029.html

独立性が認められない子会社間などの「在籍型出向」も 産業雇用安定助成金の助成対象になります
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000812411.pdf