今年も大人気の助成金!令和5年度版キャリアアップ助成金の正社員化コースを解説いたします!
今回は、助成金の中でも大人気なキャリアアップ助成金の正社員化コースをご紹介いたします。
これまでに申請したことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんが、今回は令和5年度版ということで、知っておかないといけない注意点等を踏まえて解説いたします!
YouTubeでも今回の内容をお話ししておりますので、下記の解説動画と合わせてご覧いただけますと幸いです。
「キャリアアップ助成金をこれから申請するよ」という方も、「該当するかどうか知りたい」という方も、「キャリアアップ助成金、何それ?」という方もこの記事で全解決していきますので、ぜひご参考いただければと思います!
キャリアアップ助成金の正社員化コースとは
一言で言うと、有期雇用労働者や無期雇用労働者を正社員に転換するともらえる助成金です。
キャリアアップ助成金の趣旨は、有期雇用労働者等のキャリアアップを図ることです。
事業主の要件
キャリアアップ助成金のどのコースを申請する場合でも、下記の5つを満たしている必要があります。
①雇用保険の適用事業主であること
助成金の財源が雇用保険料となっておりますので、助成金の要件として雇用保険の適用事業主であることを求められます。
②雇用保険の適用事業所ごとにキャリアアップ管理者を置いていること
≁キャリアアップ管理者とは≁
助成金の趣旨に基づき、有期雇用労働者等のキャリアアップを図る取組みを積極的に進める必要があるため、それに必要な知識や経験を有していると認められる人のことです。
現時点では、「この知識がないとダメ」「この経験がないとダメ」などの要件はありませんが、兼任はできないため、店舗が分かれている場合は別の管理者を置く必要があります。
③キャリアアップ計画を作成し、労働局の認定を受けていること
助成金の申請をするときは、事前に計画を提出することが多いです。
④実施するコースの対象労働者の労働条件、勤務状況及び支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができること
労働時間の管理ができていなかったり、労働時間との賃金の計算根拠が曖昧で合わなかったり、残業代をつけ忘れていたりすると、助成金が不支給になる可能性があります。助成金を申請するためには、法律をきっちり守れていることが条件になります。
✬ここをきっちりしておかないと、支給申請の際に手間取る可能性が高いので、事前に確認しておくことをおすすめします!
⑤キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んていること
上記③のキャリアアップ計画には3年から5年の有効期間があり、その期間内に取組みを実施する必要があります。
✬過去にキャリアアップ助成金を提出したことがある方も、有効期限が切れていないか、事前に確認しておくことをおすすめします!
キャリアアップ助成金の申請までの流れ
①キャリアアップ計画の作成・提出
②就業規則の改定
③就業規則に基づいた正社員化の実施
④就業規則に基づいた正社員として6か月間賃金の支払い
✬正社員になる前と後を比べて、3%以上賃金の増額が必要となります。
詳しくは、下記の「“3%以上賃金の増額”における賃金って何?」をご覧ください。
⑤6か月目の賃金を支払った日の翌日から2か月以内に支給申請
☞申請には期限があるので、申請することを忘れないようにしましょう!
就業規則の改定って何すればいいの?
まずは、有期雇用労働者等と正社員が違う扱いをしていることの定義づけをする必要があります。もしも、有期雇用労働者等と正社員が同じ規定の中で全く同じ扱いになっていると、全員正社員という扱いになり、助成金の趣旨に合わなくなります。そのため、就業規則の中で有期雇用労働者等と正社員が違うことを示す必要があります。
就業規則改定の注意点①:正社員の定義
キャリアアップ助成金上の正社員とは、正社員労働者に適用される就業規則が適用されている労働者で、賞与または退職金制度かつ、昇給が適用されている者である必要があります。
そのため、賞与や退職金制度、昇給について規定されていない就業規則では、正社員化コースを受給することができません。
☞就業規則に賞与または退職金制度のどちらか及び、昇給の文言が入っているように、就業規則を整備する必要があります。
✬就業規則の条文についても、細かいルールや言い回しにも注意が必要となりますので、社労士に委託することをおすすめします。
就業規則改定の注意点②:有期雇用労働者等の要件
就業規則の中で、正社員と区別しておく必要があります。
≁例えば≁
◎「契約社員及びパート労働者の就業に関する事項に関しては、別に定める」のように規定が分かれていることが記載されている場合
◎(就業規則の中における雇用形態に関する条文内で)正社員や契約社員、パートが区別して規定されている場合
✖「労働条件については個別の雇用契約で定める」のような書き方
☞細かいルールがありますので、注意が必要となります
“3%以上賃金の増額”における賃金って何?
3%以上の賃金アップには、助成金上、計算に含めることが出来ない賃金があるので注意が必要となります。
≁含むことが出来ない賃金≁
下記の3つに含まれる賃金以外で、正社員になる前と後で3%以上賃金がアップしている必要があります。そのため、一番確実なのは、基本給等の固定的な賃金を3%以上上げることがおすすめです。
①実費補填的なもの
例えば:通勤手当、住宅手当、食事手当など
②毎月の状況によって変動することが見込まれるもの
(実態として労働者の処遇改善できているか判断ができないもの)
例えば:歩合給、皆勤手当、時間外労働手当、固定残業代など
いくらもらえるの?
✬有期雇用労働者から正社員へ転換する場合⇒57万円
(大企業の場合:42万7500円)
✬無期雇用労働者から正社員へ転換する場合⇒28万5000円
(大企業の場合:21万3750円)
≁加算額≁
対象労働者が下記4つのいずれかに該当する場合は、助成金額が加算されます。
※下記金額は中小企業の場合です。大企業の場合はパンフレットをご覧ください。
①派遣労働者を正社員として直接雇用する場合
有期雇用労働者から正社員へ転換:57万円+28万5000円=85万5000円
無期雇用労働者から正社員へ転換:28万5000円+28万5000円=57万円
②母子家庭の母等または父子家庭の父の場合
有期雇用労働者から正社員へ転換:57万円+9万5000円=66万5000円
無期雇用労働者から正社員へ転換:28万5000円+4万7500円=33万2500円
③人材開発支援助成金の訓練修了後に正社員へ転換した場合
有期雇用労働者から正社員へ転換:57万円+9万5000円=66万5000円
無期雇用労働者から正社員へ転換:28万5000円+4万7500円=33万2500円
④「勤務地限定・職務限定・短時間正社員」制度を新たに規定し、当該雇用区分に転換等した場合
※1事業所当たり1回のみ
有期雇用労働者から正社員へ転換:57万円+9万5000円=66万5000円
無期雇用労働者から正社員へ転換:28万5000円+9万5000円=38万円
いま、有期雇用労働者やパートの採用をお考えの事業主様や、いま雇っている非正規の労働者を正社員にしたいとお考えの事業主様は、すぐにでも就業規則が整備できているのか、確認しておく必要があります。正社員に転換する前に知っていれば、と後悔しないためにも、お早めの確認をおすすめします。
「キャリアアップ助成金をこれから申請するよ」という方も、「該当するかどうか知りたい」とお悩みの方も、一度確認してみてください。
そうとは言えども、何を確認したらいいのか分からない方も多いはずです。
ご自身で調べるか、専門家に相談するか、助成金窓口に相談するかなど、どのように確認していくかにはさまざまな方法があります。
では、どの方法が一番おすすめなのか、結論は、専門家である社会保険労務士(以下、社労士という)に任せた方が安心です。
社労士に依頼する2つのメリット
①就業規則の改善点が事前にわかる
キャリアアップ助成金は、就業規則が整備されていることが大前提で提出を求められます。
例えば、就業規則に書かれている全員に支払われるはずの手当が支払われていない、就業規則に書かれている労働時間が実態とあっていないなどの不備があると申請できない可能性が出てきます。社労士に依頼している場合は、実態に即しているのか、助成金における注意箇所が整備できているか等、労務管理における改善と助成金申請の2つの観点からメリットがあると言えます。
②助成金申請を委託することもできる
社労士は、就業規則のプロであると同時に、法律で助成金の申請代行が許されている唯一のプロです。
助成金申請には書類の作成が必要不可欠です。助成金の書類は普段見慣れない書類が多く、戸惑われる方が多いのが現状です。当然不備等があると再提出となって申請期限に間に合わないという危険も伴います。実際に受付はしてもらえたとしても、そのあとの審査で不備が見つかると問い合わせ対応や追加書類の作成・提出が求められます。プロが申請した場合でも1つの助成金に対して問い合わせが一切ないというのは稀なので、自社で申請するとなるとかなりの手間と時間がかかります。その手間と時間を社労士が代行してくれると考えるとかなりのメリットがあると言えます。
だからこそ、いつでも相談できる、手間の軽減にも繋がる、助成金・就業規則・労務管理の専門家である社会保険労務士に一度ご相談してみてはいかがでしょうか。
初回無料相談実施中
いまなら、初回無料相談を実施しています。
この機会にぜひ一度相談してみてください。
※今回は、初回相談のみ無料となります
※2回目以降のご相談をご希望の場合は、別途費用をいただくことがございますので、予めご了承ください
✬この記事では全ての要件を記載しているわけではございません。
対象労働者の要件が他にもあったり、書類を作成する上でも注意が必要となります。
そのため、申請される際には初回相談をご利用いただくか、助成金相談窓口等のご利用をおすすめいたします。
∻お問い合わせの条件∻
助成金を悪用する目的でのお問い合わせはお断りしております。
まず初めに助成金申請が可能かどうかを確認後、ご契約となります。
YouTubeでの解説動画
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「キャリアアップ助成金のご案内(パンフレット)」
「(正社員化支援)キャリアアップ助成金のご案内(パンフレット)」
対象者の要件などのキホンを知りたい方は、有期雇用労働者を雇う場合は必見!いまさら聞けない?キャリアアップ助成金・正社員化コースのキホンをご説明!の記事をご覧ください!
また、必要書類や提出先など実際の申請について知りたい方は、知らないと損!!有期雇用労働者を雇う場合に使えるキャリアアップ助成金・正社員化コースのキホンを深掘り解説!の記事をご覧ください!
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