経営者の方は必見!年収106万円の壁に対して一人50万円の助成金制度を徹底解説!

 今回は、いま話題の年収106万の壁に対して検討されている助成金および年収の壁についてわかりやすく解説いたします。

 新しい助成金制度が始まると、内容を理解するのに時間がかかり、諦める方も多いのではないでしょうか?
 今回の解説でおおまかな制度の趣旨等を把握いただくと、実際に助成金が始まった時に、スムーズに取組みやすくなります。
 「2024年に社会保険の適用拡大が迫っているが、パートさんが社会保険に加入すると、いくらかかるんだろう…?」というギモンをお持ちの方に向けて、実際に社会保険に加入した場合に係る保険料等の試算もご紹介いたします。

 この記事では、パートさんを雇用している経営者の方はもちろん、パート採用を検討されている事業主様や、現在パートとして働かれている方も知っておいて損はない内容となっておりますので、ぜひ記事とYouTubeでの解説動画とあわせて最後までご覧ください!

いま話題の年収106万の壁に対する助成金制度って何?

 簡単に言うと、年収が106万円になると社会保険に加入する必要があり、その結果、給与の手取り額が減少するため、仕事をセーブする方が多いのが現状です。ただ、国としては社会保険に加入してほしいため、その減ったであろう給与の手取り額を会社が負担した場合に、助成金として会社に支給するという制度が検討されています。

年収の壁とは

 世間で年収の壁と言われているものは大きく分けて4つあります。それは、①103万の壁、②106万の壁、③130万の壁、④150万の壁です。
 では、何を持って壁なのかと言うと、年収がこの壁を超えると給与の手取り額が減少するため、壁と言われています。収入が増えていたところで、ガクッと減るところを壁と呼ばれています。

 「扶養の範囲内で働きたい」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。その扶養の範囲内というのが、まさに今回の壁に関係しています。
 106万の壁や130万の壁については、実際に給与の手取り額がどれくらい減ってしまうのか気になる方も多いかと思いますので、今回は試算を交えながら解説していきます。

 年収の壁には、住民税や所得税などの税金と、健康保険や厚生年金保険などの社会保険の2つが関係しています。
 税金に関しては、配偶者を扶養に入れることで、配偶者控除や配偶者特別控除等の恩恵を受けることができ、そうすることで所得税や住民税の節税に繋がるというメリットがあります。
 社会保険に関しては、配偶者を社会保険の扶養に入れることで、配偶者の健康保険料や厚生年金保険料の負担をすることなく、健康保険や厚生年金保険に加入することができるようになります。そのため、扶養に入っている配偶者は病気やけがの際に健康保険の給付も一部受けることができ、将来の年金額にも影響するなどのメリットがあります。
 そのため、配偶者が扶養だと受けられる恩恵が得られなくなり、さらに給与の手取り額も減少するということで壁と言われています。

103万の壁とは

 扶養に入る配偶者の年収が103万円以下であれば、配偶者控除を受けることができます。
 そもそも、103万円以下で働く方は所得税がかからないため、夫婦どちらにもメリットがあると言えます。
(※給与所得の場合です。)

150万の壁とは

 扶養に入る配偶者の年収が103万円~150万円までの場合は、配偶者特別控除を受けることができます。ここで得られる恩恵と言われているのが、38万円です。ただ、150万円を超えると配偶者特別控除の金額が段階的に縮小となります。そのため、150万円を超えると恩恵が少なくなるため、150万の壁と言われています。
※配偶者特別控除の38万円も給与としての手取り額が増える訳ではありませんので、ご注意ください。
※税金に関しては、実際に扶養に入れる方の年収に応じて変わるため、ご注意ください。

130万の壁とは

 「年収の壁とは」にて、配偶者が社会保険の扶養に入ると、健康保険と厚生年金保険に関するメリットがあると解説してきましたが、扶養に入れることが出来なくなる要件の1つに配偶者の「年収が130万円以上」というものがあり、130万の壁と言われています。
 そのため、配偶者の年収が130万円を超えると扶養から外れてしまい、配偶者自身で社会保険や国民健康保険に加入する必要が出てきます。その結果、これまで支払う必要がなかった健康保険料や厚生年金保険料を支払う必要が出てくるということです。

≁試算≁
【前提条件】※試算上必要となりますが、覚える必要はありません
・会社勤めをしている場合(自営業等の場合は異なります。)
・40歳以上65歳未満の方
・健康保険料率:10.09%
・介護保険料率:1.82%
・厚生年金保険料率:18.3%
・雇用保険料率:一般事業主の率(現時点の被保険者負担率:0.6%)
・所得税:甲欄、扶養0人
✯社会保険料(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料)については従業員と会社と折半負担となりますので、会社としてどのくらい負担が増えるのか、ご参考いただければと思います。

 今回の試算では、扶養に入っていた方の年収が130万円となり、社会保険への加入が必要となった場合に、給与の手取り額がどれくらい減少するのかをお見せいたします。

<給与額が月額10万9千円の場合(年収130万8千円の場合)>
支給合計:109,000円

健康保険料:5,549円
介護保険料:1,001円
厚生年金保険料:10,065円
雇用保険料:654円
所得税:290円
住民税:0円
控除合計:17,559円

手取り額:91,441円

年間で見ると、
手取り額→1,097,292円
社会保険料→199,380円
※社会保険料=健康保険料+介護保険料+厚生年金保険料

☞130万円に達すると、これまでよりも手取り額が約20万円減少することになるため、130万の壁と言われています。

 また、この壁があることにより、いまよりも働きたくても年収の壁を超えると損をするという認識があると、就業を躊躇してしまう方も多いと思います。実際に、働く時間数を増やすと年収が上がり、その結果、損をすることになるので働く時間を増やすのをやめようという現象が起こってしまいます。
 この現象を防ぐために何とかしようというのが、いま話題になっている「106万の壁」に対する取組みとなります。

 

社会保険に加入するメリット
例えば
・健康保険:傷病手当金という、病気やけがで働けなくなった場合に所得補償を受けることができます。
・厚生年金保険:将来の年金額が増えます。

 メリットは他にもありますが、傷病手当金などの給付については、何かが起こったときに有難みを感じることになるため、なかなか働いている中でメリットを実感することは難しいかもしれません。

106万の壁とは

 この壁は最近新しくできた壁で、社会保険の制度が大きく関係しています。現在、段階的に社会保険の加入義務が拡大されている最中となっています。
 では、その拡大について解説すると、これまでは社会保険の加入義務のなかった短時間勤務のパートさんにも加入義務が発生するようになりました。
 拡大される前の主な加入義務の要件としては、週の所定労働時間数がフルタイムで働く方の4分の3(簡単に言うと週30時間以上)に達すると、社会保険の加入義務が発生していましたが、その要件が変わります。
 新たに拡大された加入義務の要件として、次の4つ全てを満たしていると加入義務が発生するようになりました。そのため、これまで当てはまっていなかったパートさんも社会保険に加入する必要が出てくる可能性があります。

新たな加入義務の要件
①週20時間以上働いている
②月額の賃金が8万8千円以上
③2か月を超える雇用見込みがある
④学生ではない
✯②の8万8千円を年収に直すと105万6千円になるため、106万の壁と言われています。

 この制度は、2016年10月から始まり、従業員が500人を超える会社が対象となりました。そこから拡大され、現在は従業員101人以上の会社が対象となっており、2024年には従業員規模が51人以上の会社が対象になります。
 そのため、社会保険の適用拡大が進むと共に、社会保険に加入すると給与の手取り額が減少するため、社会保険に加入したくないと感じられる方が出てきています。社会保険の加入要件を満たさないためには、月額賃金を8万8千円未満に抑えるため、働く時間を減らす動きになるという感じになります。
 ただ、国としては社会保険への加入を促進するため、パートさんの負担を軽減することで加入促進に繋がるかもしれないということで、今回の一人50万円の助成金が検討されているということです。

≁試算≁
【前提条件】※試算上必要となりますが、覚える必要はありません
・会社勤めをしている場合(自営業等の場合は異なります。)
・40歳以上65歳未満の方
・健康保険料率:10.09%
・介護保険料率:1.82%
・厚生年金保険料率:18.3%
・雇用保険料率:一般事業主の率(現時点の被保険者負担率:0.6%)
・所得税:甲欄、扶養0人
✯社会保険料(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料)については従業員と会社と折半負担となりますので、会社としてどのくらい負担が増えるのか、ご参考いただければと思います。

 今回の試算では、扶養に入っていた方の年収が106万円となり、社会保険への加入が必要となった場合に、給与の手取り額がどれくらい減少するのかをお見せいたします。

<給与額が月額8万8千円の場合(年収105万6千円の場合)>
支給合計:88,000円

健康保険料:4,440円
介護保険料:801円
厚生年金保険料:8,052円
雇用保険料:528円
所得税:0円
住民税:0円
控除合計:13,821円

手取り額:74,179円

年間で見ると、
手取り額→890,148円
社会保険料→159,516円
※社会保険料=健康保険料+介護保険料+厚生年金保険料

☞賃金月額が8万8千円(年収約106万円)に達すると、これまでよりも手取り額が約16万円減少することになるため、106万の壁と言われています。

いま話題の助成金について

 簡単に言うと、社会保険に入ると生じる社会保険料などの労働者負担分を、何らかの形で会社が負担した場合は、最大一人50万円支給されるという内容です。
 おそらく、キャリアアップ助成金のどこかのコースに組み込まれるのではないかと言われています。すでにキャリアアップ助成金の中には、「短時間労働者労働時間延長コース」があり、簡単に言うと、社会保険に加入義務のないパートさんの労働時間を延長し、社会保険に加入するともらえる助成金となっています。今回の趣旨と同じような内容で、こちらの助成金の支給金額は一人当たり5万8千円から23万7千円までとなっており、取り組む内容に応じて支給金額が異なりますが、要件を満たすと支給されます。
✯キャリアアップ助成金の短時間労働者労働時間延長コースについて知りたい方は、最後にYouTubeのリンクを掲載しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

 

今回は、年収の壁や106万の壁に対する助成金についての解説をしてきました。

いまはその場しのぎなどと言われておりますが、実際に助成金が始まり、該当するとなったら申請できるように、いまからアンテナを張っておいていただけると良いと思います。
ただ、「どうやってアンテナを張ったらいいのか不安」という方や、「助成金の情報収集が苦手」という方は、一度相談してみてください。

とはいえ、どこに相談したらいいのか分からない方も多いはずです。
専門家に相談するか、助成金の相談窓口に相談するかなど、相談にもさまざまな方法があります。

では、どの方法が一番おすすめなのか、結論は、専門家である社会保険労務士(以下、「社労士」という)に任せた方が安心です。

社労士に依頼する2つのメリット

改善点が事前にわかる
 助成金は適正な労務管理をしていることが大前提で提出書類を求められます。
 例えば、残業代の支払いがない、計算が間違っているなどの不備があると申請できない可能性が出てきます。社労士に依頼している場合は申請する前に一通り書類に目を通したり、申請に至る過程で労務管理の見直しを行ったりすることができるため、労務管理の改善と助成金の申請の2つの観点からメリットがあると言えます。

書類作成、提出、問い合わせ対応などの手間が省ける
 助成金申請には書類の作成が必要不可欠です。助成金の書類は普段見慣れない書類が多く、戸惑われる方が多いのが現状です。当然不備等があると再提出となって申請期限に間に合わないという危険も伴います。実際に受付はしてもらえたとしても、そのあとの審査で不備が見つかると問い合わせ対応や追加書類の作成・提出が求められます。プロが申請した場合でも1つの助成金に対して問い合わせが一切ないというのは稀なので、自社で申請するとなるとかなりの手間と時間がかかります。その手間と時間を社労士が代行してくれると考えるとかなりのメリットがあると言えます。

社労士は、唯一法律で助成金の申請代行が許されています。

 だからこそ、いつでも相談できる、手間の軽減にも繋がる、助成金・労務管理の専門家である社会保険労務士に一度ご相談してみてはいかがでしょうか。

初回無料相談実施中

いまなら、初回無料相談を実施しています。
この機会にぜひ一度相談してみてください。
※今回は、初回相談のみ無料となります
※2回目以降のご相談をご希望の場合は、別途費用をいただくことがございますので、予めご了承ください

✬この記事では全ての要件を記載しているわけではございません。
そのため、申請される際には初回相談をご利用いただくか、助成金相談窓口等のご利用をおすすめいたします。

∻お問い合わせの条件∻
助成金を悪用する目的でのお問い合わせはお断りしております。
まず初めに助成金申請が可能かどうかを確認後、ご契約となります。

YouTubeでの解説動画

 

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