育児休業取得率(令和2年度雇用均等基本調査)と法改正の動向

◆育児休業者割合
① 女 性
在職中に出産した女性のうち、令和2年10月1日までに育児休業を開始した者の割合は81.6%と、前回調査(令和元年度83.0%)より1.4ポイント低下しました。
また、同期間内に出産した、有期契約労働者の育児休業取得率は62.5%で、前回調査(同77.5%)より15ポイント低下しました。
② 男 性
配偶者が出産した男性のうち、令和2年10月1日までに育児休業を開始した者の割合は12.65%と、前回調査(令和元年度7.48%)より5.17ポイント上昇し、過去最高を記録しました。このうち、育休期間が5日未満の取得者の割合は28.33%でした。
また、同期間内において配偶者が出産した、有期契約労働者の育児休業取得率は11.81%で、前回調査(同3.07%)より8.74ポイント上昇しました。
今回、男性の育児休業取得率は過去最高となりましたが、政府が掲げていた2020年までに13%にするという目標には届きませんでした。

◆育児・介護休業法の改正
去る6月に成立した改正育児・介護休業法では、出生後8週以内に最長4週間取れる「出生時育児休業」が、男性の育児休業取得率を上げるものとして注目されています。同法は段階的に施行されますが、ここでは直近の令和4年4月1日施行の改正点を紹介します。
① 有期雇用労働者の育児休業・介護休業の取得要件の緩和
「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件が削除され、有期雇用労働者は育児・介護休業を取得しやすくなります。
② 妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け
事業主は、妊娠・出産の申出をした労働者に対して、育児休業に関する制度その他の厚生労働省令で定める事項を知らせるとともに、育児休業申出に係る当該労働者の意向を確認するための面談その他の厚生労働省令で定める措置を講じなければなりません。
③ 育児休業を取得しやすい雇用環境の整備の義務付け
事業主は、育児休業申出が円滑に行われるようにするため、その雇用する労働者に対する育児休業に係る研修の実施、育児休業に関する相談体制の整備、その他厚生労働省令で定める育児休業に係る雇用環境の整備に関する措置のいずれかの措置を講じなければなりません。
【参考】厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-r02.html

同「改正育児・介護休業法の概要」
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000788616.pdf