厚生労働省関係の主な制度変更(令和5年4月)について
令和5年4月に実施される厚生労働省関係の主な制度変更が公表されました。
次のような内容となっています。
雇用・労働関係
●月60時間を超える時間外労働の割増賃金率の引上げ(中小企業)
中小企業の月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率を25%から50%に引上げ
●第14次労働災害防止計画の策定
2023年度を初年度として、5年間にわたり事業者等が重点的に取り組むべき8項目の安全衛生対策を策定
●賃金のデジタル払い制度の開始
従来から認められていた銀行口座等に加え、厚生労働大臣が指定する資金移動業者の口座への賃金支払いを認める
●男性労働者の育児休業取得状況の公表の義務化
従業員が1,000人を超える企業の事業主に、男性労働者の育児休業等の取得状況を年1回公表することを義務付け
●雇用保険料率の変更(一般の事業)
・失業等給付に係る雇用保険料率:8/1,000
・育児休業給付分:4/1,000
・雇用保険二事業分:3.5/1,000
・合計:15.5/1000(労働者負担:6/1,000、事業主負担:9.5/1,000)
(注)農林水産・清酒製造の事業の合計:17.5/1,000(労働者負担:7/1,000、事業主負担:10.5/1,000)
建設の事業の合計:18.5/1,000(労働者負担:7/1,000、事業主負担:11.5/1,000)
●労災保険の介護(補償)等給付額の改定(( )内は令和4年度の額)
(1)常時介護を要する方
・最高限度額:月額172,550円(171,650円)
・最低保障額:月額 77,890円( 75,290円)
(2)随時介護を要する方
・最高限度額:月額86,280円(85,780円)
・最低保障額:月額38,900円(37,600円)
●労災就学援護費および労災就労保育援護費額の改定(( )内は令和4年度の額。その他の区分は改定なし)
(1)労災就学援護費のうち高等学校等(通信制を除く)
・19,000円(17,000円)
(2)労災就学援護費のうち高等学校等(通信制)
・16,000円(14,000円)
(3)労災就学援護費のうち中学校等(通信制を除く)
・ 20,000円(18,000円)
(4)労災就学援護費のうち中学校等(通信制)
・17,000円(15,000円)
(5)労災就学援護費のうち小学校等
・15,000円(14,000円)
(6)労災就労保育援護費
・11,000円(13,000円)
●新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の適用期間の延長
令和5年3月31日までとなっていた適用期間を令和5年9月30日まで延長
年金関係
●国民年金保険料の改定
16,520円
●年金額の改定
・67歳以下の方(新規裁定者):66,250円(老齢基礎年金(満額):1人分)
→ 令和4年度から2.2%の引上げ
・68歳以上の方(既裁定者):66,050円(老齢基礎年金(満額):1人分)
→ 令和4年度から1.9%の引上げ
●年金生活者支援給付金額
基準額は5,140円(月額)
●特例的な繰下げみなし増額の導入
老齢年金の繰下げ申出を行うことができる者が、70歳以降(受給権発生から5年経過後)80歳未満の間に裁定請求を行い、かつ繰下げ申出を行わなかった場合に、年金額の算定にあたって裁定請求の5年前の日に繰下げ申出を行ったものとみなす制度(5年以上前の時効消滅した給付分に対応する繰下げ増額)の導入
医療・健康関係
●出産育児一時金の支給額の引上げ
・42万円から50万円に引上げ
・産科医療補償制度の対象外の場合は40.8万円から48.8万円に引き上げ
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。
時間外労働 割増賃金率 労働災害 賃金 デジタル払い 雇用保険料率 労災保険 母性健康管理 国民年金 繰下げみなし増額 出産育児一時金
厚生労働省関係の主な制度変更(令和5年4月)について
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