自動車運転者の労働時間に関する調査結果

4月23日、第5回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会(以下、「委員会」という)が開催され、改善基準告示の見直しに向けた自動車運転者の労働時間等に係る実態調査結果の報告等が行われました。
 
自動車運転業務については、2024年3月31日までは時間外労働の上限規制の適用が除外されていますが、2019年12月に委員会が設置され、改善基準告示について、次の点を見直すとして審議が進められています。
 
拘束時間:時間外労働の上限規制への対応、過労死等防止の観点からの見直し
 →現行(原則)
 
トラック:1日13時間、1月293時間(限度時間293時間、最大拘束時間320時間)、1年3,516時間
 
タクシー・ハイヤー:1日13時間、1カ月299時間(限度時間299時間、最大拘束時間322時間)、1年3,588時間
 
バス:1日13時間、4週平均1週65時間(限度時間65時間未満、最大拘束時間71.5時間)、1年3,484時間
 
休息時間:拘束時間の議論を踏まえどうあるべきか
 →現行(原則)
  トラック・タクシー・ハイヤー・バス:連続した8時間以上
 
連続運転時間:安全性を確保しつつ、生産性向上に資するための見直し
 →現行(原則)
  トラック:4時間以内
  タクシー・ハイヤー:規定なし
  バス:4時間以内
その他:危険物輸送など緊急時の拘束時間の適用除外
 
今回の調査は、勤務実態や業務の特性を踏まえた基準を定めるために実施されたもので、資料によれば次のような結果となっています。
 
 
拘束時間:1日の拘束時間が「13時間以下」の割合は全業態で6割超
繁忙期において1カ月の最大拘束時間を超えた割合は、ハイヤー・タクシーが0%、トラックが5.2%、バスが2.8%
繁忙期において、1カ月の拘束時間が限度時間以下である割合は全業態で8割超
1年の拘束時間の限度時間を超えていた割合は、全業態で1割未満
 
休息期間:最も忙しかった日における休息期間が「8時間以上」の割合は全業態で7割超
 
連続運転時間:繁忙期において連続運転時間が「4時間以下」の割合は全業態で9割超
 
今後の議論は自動車運転者労働時間等作業部会を設置して行われ、2022年12月までに改善基準告示を改正し、2024年4月から施行される見通しとなっています。